BC経験者コースは、バックカントリーの経験があり、自力でシール歩行やスノーシュー歩行をできる方を対象に行っております。滑りの技術はスキー場のゲレンデ内をおりてこられる方でしたらどなたでもご参加いただけます。
バックカントリーの技術は主に滑走と登坂に分けられ、滑走に関してはポレポレガイドクラブのバックカントリーコースでは35℃を超える急斜面に行くことはありません。ブナ林地帯の樹間も広く、厳密なターン技術を求められる場所にもいきませんので、滑走技術に関しては普通のゲレンデ滑走技術があればほぼ問題ありません。
登坂技術は月山の場合、アプローチで1~2kmの長い距離を歩くことがあります。シール歩行やスノーシューでの歩行に関して、技術や体力を要する場合があります。登りの時間はスタート地点から第一目的地までおおよそ1~2時間、1本目の滑走後の登り返しが30分~1時間程度、合計2時間程度は歩きます。
1回目 2019.1/5~1/6 (土日) 定員6名
2回目 2019.2/2~2/3 (土日) 定員6名
3回目 2019.2/23~2/24 (土日) 定員6名
1日目
10時ポレポレ集合。午前中は地図で目的地を選定、ルートを決める方法を勉強します。午後からはフィールドに出て、万が一のことが起こった場合のために雪洞の掘り方を訓練します。夜は翌日のルートを作成して2日目のセルフバックカントリーに備えます。宿泊:ポレポレファーム
2日目
起床、前日選定したルートに沿って山へ出発。雪の断面観察や雪崩斜面、危険な地形などを説明しながら参加者が地図とコンパスを使用し目的地を目指します。滑るルートや間隔を考えながら滑走します。14時下山予定。
バックカントリー初心者~中級者 ガイドなしでバックカントリーに挑戦したい方やバックカントリーの基本技術を身につけたい方向け
雪と天候の状況を見て当日ガイドが判断します。
主なツアーコースは下記の通りです。
滑走具、スキーウェア、保温着、保温ポット、昼食、行動食、バックパック、※スコップ、※ビーコン、※プローブ、※シャベル、※スノーソー、※ツェルト、コンパス、※地図(国土地理院発行1/25,000 月山エリア)、※高度計、※雪音計
(※印はレンタルがあります)
テックビンディング付きスキー、テレマークスキー、及びスノーボードでご参加いただけます。
ガイドはゲストに合わせてテレマークスキーガイド、スキーガイド、スノーボードガイドをアサインします。
28,000円/人
下記のアイテムがご利用可能です。
お得なレンタルパック
今年も全国から雪の便りが届き、いよいよバックカントリーシーズンに突入します。最近は空前のパウダーブームの影響で自然の山へ足を踏み入れる方も多くなり、日本でもバックカントリースキー・スノーボードの文化が根付き出したようで大変嬉しいことです。
それに伴い様々なバックカントリーガイドツアーが催行されるようになりましたが、30年以上月山でバックカントリーガイドを行ってきた我々から見ると、全国各地で危険なガイドツアーも散見されます。この前も勉強がてら某県のガイドツアーにお客として参加した際、滑走中に他のお客さんがはぐれてしまい、結局捜索に2時間かかりツアーどころではありませんでした。これは斜面を長く滑らせようとしてトップガイドとテイルガイドの間が空きすぎてしまった事故でした。
2009年、北海道のトムラウシ山で起きた死者9名を出した史上最悪のガイドツアー事故をみなさん覚えておられるでしょうか?登山ブームで急成長したガイド会社が悪天候の中出発してしまったこの事故は、経済原理を優先したことで「中止」や「延期」、「引き返す」といった命を優先する判断ができなかったことが一番の原因です。
そして参加者の中には命を失わずに済んだ人と、残念ながら亡くなってしまった人がいます。その違いはなんだったのでしょうか?生死を分けた要因、それは充実した装備と遭難対策知識の有無だったのです。トムラウシ山登山に耐えうる装備と知識をもっていた方は命を落とさずに済んだのです。
このように収益性を追い悪天候でも無理に出発したり、差別化を図り過激な斜面を求めて雪崩の巣を滑りに行くツアーは、まさに事故のロシアンルーレットと化しています。
「素人が知識を持たず単独で山に入る」のはもちろん危険なのですが、「ガイドツアーに参加し全てを他人に委ねて山に入る」のは前者と同じように大変危険であるということを、バックカントリー界でも認識しなくてはならない時期に差し掛かっています。
※ガイドツアー中に雪崩に巻き込まれ、埋没したゲストのスキー板を探している様子。2011年2月白馬にて
みなさんに是非覚えておいていただきたいのは、「ガイド」と看板を掲げている組織全てが安全なツアーを行っているわけではなく、一部のガイドに至っては最低限の安全でさえ保証できていないという現状です。みなさんがツアーに参加する際に署名するあの紙には「事故を起こしても訴えないで下さい」と書かれているはずです。
全てを他人に委ねて事故が起きた時、裁判でガイドの責任を追及するのはあなたの家族であって、あなたはもうこの世にいないかもしれません。そんな状況は誰しもが望んでいないし、そうなる前に手を打つべきです。あなた自身が正しい知識を身につけ、何が危険で何が正しいのかを知ることが最大の自己防衛となるのです。
怖さの裏側は知識不足です。雪山の正しい知識を習得して不安を払拭し、2019年は安全で楽しいバックカントリーを楽しんでください。
※自らコンパスを使用して進むルートを決めるスキーヤー達。山での行動はすべて自分の責任へと回帰する。